深い黒の外観に包まれたこの住まい。
敷地南側に建物が迫る立地を受けて、家の内側に光と風を「取り込む」ことを徹底しました。
2階にリビングを設け、天井を斜めに引き上げてロフトへとつながる設計に。
天井の高まりとともに、上部には2段の開口を設け、南側の隣地建物をかわしながら、空へと抜ける視線とともに風の通り道を確保しています。
室内はふんだんに木を使い、温もりと素材の質感が際立つ空間。
斜天井の下、家族が集うリビングは、木の梁や木壁の表情が心地よく、自然のやさしさと木造空間の力強さがほどよく融合しています。
ロフトは遊び場や書斎としての活用も可能で、暮らしに“上へ延びる余白”を作りました。
斜天井の最も低い位置にコーニス照明を設置。間接照明の柔らかな光が天井面を伝って広がり、LDK全体を包み込むように照らします。
光を真正面に取り込むわけではなく、むしろ“高み”を通してやわらかく届く光と、天井を抜けるように流れる風。
建物の向きや隣地の影響を前提にした設計だからこそ生まれた空間のリズムがあります。
木とともに暮らし、空へとつながる時間を感じるこの住まいが、家族の日常を一層価値あるものにしてくれます。